2007年05月01日

レーシック手術の失敗例

平成12年に大阪地裁で2つの「レーシック手術に関して医師の過失を認めた判決」が出されました。

レーシック手術の失敗例として、下記にご紹介します。

【事例A】平成12年6月7日判決
【事案B】平成12年9月22日判決

1.事案の概要

大阪で眼科を経営する医療法人Yを、原告Xらが受診しレーシックの説明を受けたが、Yは本手術の利点の説明はしたが、レーシック手術の危険性については説明しなかった。

Xらは平成8年頃レーシック手術を受けたが、術後裸眼視力も上がらず、矯正視力まで低下した。事案Aでは、術前の視力が右0.04(1.2)、左0.03(1.2)。術後の視力が右0.01(0.02)、左0.6(0.7)。

事案Bでは、術前の視力が右0.02(1.0)、左0.03(1.0)。術後の視力が右0.05(0.6)、左0.08(0.8)であった。事案Bではさらに近方視力の低下も生じている。

レーシックの術後しばらく経ってから、T大学眼科で検査を受けたところ、角膜表面形状は不整で非対称性が認められ高度の不正乱視となっていることが判明した。そして、昼間、夜間ともコントラスト感度の低下、グレア等が存在した。

そこで、Xらは、Y眼科に損害賠償を求め訴訟を提起した。

2.判決の内容

(1)説明義務違反の過失を認める:
「手術等の医療行為を行う医師は、当該医療行為の目的、内容及び合併症等の危険性について患者に説明を行い、充分患者に理解させた上で患者の承諾を得る義務があるというべきである。

そして、Y眼科側は、本件においては、術前に患者に対して、

レーシック手術が日本眼科学会を始め、FDA(アメリカ食品医療品局)においても承認された医療技術でなく研究段階にあることレーシック手術後の長期的予後が不明であること、

レーシック手術の過誤に伴って遠視(過矯正)になること、フラップが正確に剥離されなかったり、剥離されたフラップが何らかの事情で剥落したり、損傷したり、さらにしわが寄った状態で定着した時は、深刻な角膜乱視を生じる危険性があることなど、

レーシック手術に伴って生ずる可能性のある合併症を具体的に説明し、患者に十分理解させた上で承諾を得る注意義務があったというべきである。

ところが、Y眼科側は、本件においてXに対して、レーシック手術を受けるかどうかを判断する上で必要な上記留意点を全く説明しなかったことが認められる。従って、Y眼科側には、説明義務違反による過失が認められる。」とした。

(2)LASIK手術そのものに関する過失も認める:
事案Aでは、フラップ作成の段階で切開面が不整な不完全フラップを作ったこと(フラップの切開線が不整との鑑定がある)、またフラップを戻すときにフラップが鼻側にズレ、そのためフラップに皺襞が生じ、その結果原告Xは高度の不正乱視になったことを認めた。 

事案Bでは、フラップ作成の段階で非常に薄く不安定な形状に作成したこと、フラップを元に戻したとき点眼等による保護を行わなかったため空気等異物が入りフラップの接合不良が生じたこと、さらに角膜混濁を除去するため再手術を行ったことにより角膜表面の形状の不整が大きくなり角膜混濁が再度生じ、角膜中心部はかなり薄くなったことを認定し、その結果高度の不正乱視になったことを認めた。

(3)判決は、視力障害による慰謝料を認め原告Xが勝訴した(事案Bではさらに仕事が困難になったことに対する損害賠償も認めた)。
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レーシック手術の流れ

レーシックの手術時間は15分〜20分ぐらいです。手術の流れは以下のとおりです。

1.麻酔をする

点眼麻酔(目薬)です。痛みはありません。 

2.フラップを作る

レーシックでは、マイクロケラトームという特殊な機械を使用し、角膜の表層を薄くはがし、ふたの役割をする「フラップ」を作ります。 この時、角膜表面の1ケ所を切らずに残すことでフラップが完全に角膜からはずれないようにします。

3.エキシマレーザーを照射する

次に、フラップをめくり、露出した角膜実質にエキシマレーザーを照射して、角膜の屈折率を変えます。近視度数、乱視度数などにより照射時間がかわりますが、数秒から数十秒程度です。

4.フラップを元の位置に戻す

最後にフラップを元に戻して数分間(2〜3分)待つと手術終了です。 角膜内皮細胞の働きにより、数分間でフラップがめくれないくらいに接着します。これでレーシック手術は完了です。

5.術後の検査

一般にレーシック手術翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に診察を受けることになります。以後も6ヶ月に1回の診察を受けることが推奨されます。

視力の安定には、レーシック術後数日を要す方もいますが、ほとんどの場合は、 裸眼視力が1.0以上になります。なお、通常、眼科医は過矯正(遠視)になってしまう事を避けるために2.0という視力を目的とした照射決定は致しません。

レーシック手術を行った後、近視が残り、裸眼視力に満足できない時は、再度追加手術を行うこともできます。
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レーシック手術前の検査の流れ

1.レーシック手術が適応にならないケースではないかをチェックする

緑内障など眼の病気はないか、レーシック手術を受けてはならない糖尿病などの体の病気はないかなど、レーシック手術が適応にならないケースでは絶対に受けてはいけません。医者が詳しくチェックします。

2.目の詳しい検査をする

レーシック手術の適応に問題がない場合、近視度数、乱視度数、眼圧からはじまり、角膜の形状、厚み、視力検査(遠見、近見)、眼底検査、必要であればコントラスト、ドライアイ検査をし、レーシック手術を受けた場合にどのような結果がえられるかなどを予測します。   
                   
コンタクトレンズを使用している人は、角膜の形状が変わっている可能性が大きかったり、上皮細胞が弱っていることなどがあるので、レーシックの手術前に2〜3週間程度コンタクトを外す期間を必要とし、検査も2回以上必要になる場合があります。

3・カウンセリング

検査の結果、レーシック手術が可能と診断されると、カウンセリングに移ります。医者は、レーシック手術の内容、これまでの検査のデータからわかった目の状態、受けた場合にどのような状況が考えられるかなどを詳しく説明します。

また、医者は、レーシック手術を受ける人に、なぜこの手術を受けたいかを詳細にたずねます。ただ単に良い視力が欲しいだけであれば、眼鏡やコンタクトレンズの方が良い場合があるからです。

コンタクトが煩わしい、出来ない、眼鏡が職業上不適当、スポーツを目的としているなど、複数のニーズがあってはじめてレーシック手術が推奨されます。
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レーシックにおけるカウンセリングの重要性

レーシック手術は、近視矯正手術の中では、比較的安全性の高い手術ですが、100%失敗はないということはありません。レーシック手術に際しては、医者から十分な説明を受けた後、あなた自身の主体的判断で手術を受ける決定をすることが大切です。

レーシックの術前のカウンセリングにおいて、医者から以下のような説明があるかどうか、また、あなたが医者から与えられた情報を十分に吟味し、レーシック手術を受けるかどうかを判断する時間を与えてくれるか、等の点をしっかり見きわめ、信頼できる医者を選ぶようにしましょう。

【レーシック手術前に医者が説明するべきポイント】

・レーシック手術が眼鏡・コンタクトレンズのように確実に予定通りの近視改善効果が達成されるものではないこと。

・レーシック手術後、合併症で視力障害の発生する危険のありうること。

・レーシック手術のやり方、適応。

・レーシック手術後、老視年齢になった場合老眼鏡が必要なこと。

・レーシック手術中、一時的に眼圧が上がるため緑内障の悪化があり得ること。

・角膜フラップが切れてしまうことがあり得ること。

・矯正度数が予定より少なかったり、多くなることがあること。

・レーシック手術後、不正乱視が出ることもあること。

・角膜フラップにつき感染の危険があること。

・レーシック手術後、わずかに近視側に戻ることがあること。

・矯正視力が1段階または2段階低下する場合があること。

・グレア(レーシックの合併症の一つで、夜間に光がまぶしく感じられる状態のこと)を感じることがあること。
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レーシック手術Q&A

Q1.何歳からレーシック手術を受けられるか?
A1.20歳以上。一般に20歳未満ではまだ体の発育が完全でなく、手術を受けた後でも近視が進むことが多いので、矯正手術はまだする時期ではないと言われている。

Q2.強度の近視だがレーシック手術は受けられるか?
A2.一般に -10D前後までの近視までは、レーシック手術による矯正が可能であると言われているが、角膜の厚さなどの理由から、人により矯正可能域が違う。
※D(ディオプトリー)は近視の単位で 普通の近視は-5D位。

Q3.ドライアイでコンタクトレンズも使えないが、レーシック手術は受けられるか?
A3.重度のドライアイでなければ、殆ど問題はない。むしろ、仕事や家庭生活でコンタクトレンズを使えないと日頃悩んでいる人がレーシック手術の対象になる。

Q4.本当にレーシック手術で視力があがるか?
A4.レーシック手術によりほとんどの人は裸眼視力が1.0以上になる。ただし、過矯正(遠視)になることを予防するために、意図的に少しだけ近視を残すようにすることが一般的。

Q5.目以外の病気があるのですがレーシック手術は受けられますか?
A5.円錐角膜、緑内障、眼底出血、網膜剥離などの目の病気がある場合ばかりでなく、 高血圧、糖尿病、膠原病などの全身の病気がある場合は手術を受けるべきではない。

Q6.レーシック手術を受けてすぐに、今まで通りの生活がおくれるか?
A6.個人差はあるが、たいていの場合レーシック手術の翌日には視力が回復するので通常の生活が出来る場合が殆ど。ただし、アイメイクは数日、ジョギングなどの軽い運動は1週間、水泳などができるようになるには1ヶ月程を要する。

Q7.レーシック手術は痛い?
レーシック手術の麻酔は、点眼麻酔(目薬)で行うので、麻酔を施すときの痛みはない。手術中は軽い灼熱感を感じる人、また術後にゴロゴロした感じを経験する人がいるが、点眼薬などで処置することができる。

Q8.レーシック手術前にはたくさんの検査をする必要があるか?
A8.医療機関によって回数はまちまちだが、手術前に数回の検査があるのが一般的。

Q9.レーシック手術にはどのくらい時間がかかるか?
A9.レーシックの手術時間は、準備時間や術後の診察時間を含めても、15分〜20分くらい。

Q10.レーシック手術後のケアは面倒ではないか?
A10.一般にレーシック手術翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に診察を受けることになる。以後も6ヶ月に1回の診察を受けることが推奨される。

Q11.レーシック手術による感染症が不安。
A11.角膜表面の上皮を剥がさないので、感染の危険性はとても低い。

Q12.レーシック手術に保険は適用されるか?
A12.レーシック手術と診察はすべて自費診療となる。費用については それぞれの診療機関によって異なる。また、生命保険会社により一部負担金が適応されるケースがある。

Q13.レーシック手術には100%失敗はない?
A13.どんな手術も、100%失敗はないとはいいきれるものはない。レーシック手術は、RKやPRKの手術とくらべると安全性は高いが、ある程度の失敗の危険性はある。

レーシック手術の失敗の具体例としては、フラップを作る時にマイクロケラトームがうまく動かずに、フラップが不規則に出来上がってしまう場合、ヒンジができずにフラップが全部はがれてしまう場合などがあげられる。

しかし、現在、レーシック手術に使う機器類の精度、眼科医の技術の向上などにより、レーシック手術は失敗のきわめて少ない安全な手術になってきている。
posted by 失敗知らずのレーシック手術体験談 at 04:37| 失敗知らずのレーシック手術基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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